アルプの日記（自然と山と心の部屋）

　自分が正しいと思った通りに生きること。

　とても大切なことですね。

　でも、これほど難しいものはありません。

　だから、「お金がなければ生きていかれないから」とか「きれい事ばかり言っていては生きられない」などと、自分自身にいろんないいわけをして、正しいことをしない自分を正当化してしまいます。

　心の片隅では、自分の間違いを何となく感じているのに、それを感じないふりをして、自分をごまかして生きてしまいます。

　こんな生き方は、よくないことでしょうか？

　私は、そう思いません。

　誰だって、弱い人間です。認めたくない自分を、見て見ぬふりをしたくなるものです。

　ただ、大切なのは、弱い自分、正しいことのできない自分を、素直に認めることではないでしょうか？

　そして、正しいことをできる自分になることを、人生最大の夢として、目標として持って生きることがきっと幸せにつながるように思います。「正しいこと」は、本当に正しいのかを見つめ続けつつ、今、正しいと信じたことができる自分に、少しずつ進んでいこうとするその気持ちをもていることが、きっと自分の幸せにつながると思います。

　昔、２０代の頃ですが、キセル乗車をしたことがあります。だけど、電車に乗っている間中、落ち着かず、車掌さんがきたりすると、心臓がドキドキでした。そのころ、思ったことは、この心臓のドキドキは、神様の声だと感じていました。この声を感じることができるうちに、やめなければいけないことだと思いました。

　この声を無視できるようになってしまったとき、正しくない自分を正しいと主張できるようになってしまうのですね。

　これは、悪いことをしてしまったときの自分の例ですが、悪くなくても、自分をごまかして生きることは、いろんな場面であるように思います。

　写真は、若い頃に登った冬の中央アルプス宝剣岳中央稜での写真です。

　自分なりに、厳しいルートを求めて、歩んでいました。でも、そのころよりも、きっと今の方が厳しいように思います。

　厳しいことに挑めることを感謝して、少しでも正しい方向に自分を向けていきたいなと、いつまでも夢を持ち続けて生きていたいと思います。