2008年01月19日
勇気に必要な愛情
『「ホームレス」襲撃事件“弱者いじめ”の連鎖を断つ』を読み終わっての感想です。
とにかく、一つの事件をよくここまで深く見つめてくれたなあという印象が強かったです。なかなかここまで深く見つめることなく、多くの場合、人を殺害したという結果だけを批判して終わることが多いように感じていますが、深く見つめればいろんなことが見えてくるし、本質的なものも見えてくると思いました。
ただ、この本は、それだけ重い本です。また、どんなに深く考えても、権力のある人がそこまで考えずに、決断してしまうこともあります。考えすぎて、疲れきるということもあると思います。でも、本当に大切なことをみんなで考えると、少しずつ正しい姿が見えてくるのではないかなと思っています。
印象的だったことはたくさんあるのですが、一つは、いじめる側の子が、自分自身が生きることが辛くて、誰かを不幸に陥れると、自分が少しはましに見えるということでした。いじめが問題になっていますが、いじめられる側と共に、いじめる側の気持ちもしっかりと見つめなければ、いじめは解決しないですね。以前、NHKの討論番組で、どこかの偉い方が、法律で取り締まればよいと言っていたのですが、そんなことをしたら、自殺する子どもがどんどん増えていってしまうでしょうね。子どもたちは、自分の存在というものを確かめられずにいるために、いじめに走っているという現状を理解しないと、がんじがらめにされて、八方ふさがりになり、自傷とか自殺ということになってしまうと思います。
それと、もう一つだけ感じたことを書くと、今を生きる子どもたちに、勇気を持ってもらうことが必要なんだと思いました。そして、勇気を持つためには、絶対に愛情が必要だということを感じました。
被告だった彼は、中学生のころいじめられていましたが、誰も止めてくれなかったし、先生も関わってくれなかったのです。そして、いじめられないようにするには、強いものに取り入って、相手の機嫌を取る以外に、いじめは弱くならないのです。でも、実際には、いじめる側は、そういう態度に、ますますいじめをエスカレートさせるのですが、誰からも味方になってもらえなければ、勇気を出して反発することができないですね。
被告の男性(ゼロ)は、道頓堀川にかかる戎橋に集まっていた同じような苦しみを持つ仲間が友だちとしていました。この事件があって、裁判が始まるまでは、ゼロはきっと友だちのことを深く信じてはいなかったと思います。しかし、何回にも及ぶ裁判に、毎回傍聴席に来てくれる仲間に、深い感謝の心を持つようになります。怖い刑事さんに逆らいたくないという弱い自分を克服し、あるがままの自分をしっかりと主張できるようになりましたが、それは何よりも彼自身の努力によるのですが、友だちの存在や、この本の著者の力が大きかったと思います。当然、見放さなかった親御さんの愛情も素晴らしかったのですが。
この事件がその後どうなったかは、私には分かりません。でも、ゼロさんは、今ごろ、良い友だちと一緒に、ホームレスの人たちにおにぎりやみそ汁を配って歩いているんだろうなと思います。
人が、一人の人間として自立し、勇気を持って生きていくには、何よりも多くの愛情に囲まれ、そして自分の中にしっかりとした愛情を育むことが必要ですね。この本の感想をまとめると、愛情こそが勇気を生むということでしょうか?
とにかく、一つの事件をよくここまで深く見つめてくれたなあという印象が強かったです。なかなかここまで深く見つめることなく、多くの場合、人を殺害したという結果だけを批判して終わることが多いように感じていますが、深く見つめればいろんなことが見えてくるし、本質的なものも見えてくると思いました。
ただ、この本は、それだけ重い本です。また、どんなに深く考えても、権力のある人がそこまで考えずに、決断してしまうこともあります。考えすぎて、疲れきるということもあると思います。でも、本当に大切なことをみんなで考えると、少しずつ正しい姿が見えてくるのではないかなと思っています。
印象的だったことはたくさんあるのですが、一つは、いじめる側の子が、自分自身が生きることが辛くて、誰かを不幸に陥れると、自分が少しはましに見えるということでした。いじめが問題になっていますが、いじめられる側と共に、いじめる側の気持ちもしっかりと見つめなければ、いじめは解決しないですね。以前、NHKの討論番組で、どこかの偉い方が、法律で取り締まればよいと言っていたのですが、そんなことをしたら、自殺する子どもがどんどん増えていってしまうでしょうね。子どもたちは、自分の存在というものを確かめられずにいるために、いじめに走っているという現状を理解しないと、がんじがらめにされて、八方ふさがりになり、自傷とか自殺ということになってしまうと思います。
それと、もう一つだけ感じたことを書くと、今を生きる子どもたちに、勇気を持ってもらうことが必要なんだと思いました。そして、勇気を持つためには、絶対に愛情が必要だということを感じました。
被告だった彼は、中学生のころいじめられていましたが、誰も止めてくれなかったし、先生も関わってくれなかったのです。そして、いじめられないようにするには、強いものに取り入って、相手の機嫌を取る以外に、いじめは弱くならないのです。でも、実際には、いじめる側は、そういう態度に、ますますいじめをエスカレートさせるのですが、誰からも味方になってもらえなければ、勇気を出して反発することができないですね。
被告の男性(ゼロ)は、道頓堀川にかかる戎橋に集まっていた同じような苦しみを持つ仲間が友だちとしていました。この事件があって、裁判が始まるまでは、ゼロはきっと友だちのことを深く信じてはいなかったと思います。しかし、何回にも及ぶ裁判に、毎回傍聴席に来てくれる仲間に、深い感謝の心を持つようになります。怖い刑事さんに逆らいたくないという弱い自分を克服し、あるがままの自分をしっかりと主張できるようになりましたが、それは何よりも彼自身の努力によるのですが、友だちの存在や、この本の著者の力が大きかったと思います。当然、見放さなかった親御さんの愛情も素晴らしかったのですが。
この事件がその後どうなったかは、私には分かりません。でも、ゼロさんは、今ごろ、良い友だちと一緒に、ホームレスの人たちにおにぎりやみそ汁を配って歩いているんだろうなと思います。
人が、一人の人間として自立し、勇気を持って生きていくには、何よりも多くの愛情に囲まれ、そして自分の中にしっかりとした愛情を育むことが必要ですね。この本の感想をまとめると、愛情こそが勇気を生むということでしょうか?
Posted by アルプ at 09:38│Comments(0)
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